オレ竜力尽く「誰も責めない。よく戦った」

2010/11/8 9:55 配信 デイリースポーツ

 「日本シリーズ・第7戦、中日7-8ロッテ」(7日、ナゴド)
 夢が散った。監督就任7年目。唯一にして、最大の目標であった希望が消えた。リーグ優勝&日本一の完全優勝。3度目の挑戦。公約は果たせなかった。目前の胴上げ。オレ流指揮官の胸中に無念が渦巻いた。中日の2010年が終わった。
 信念を曲げてまで貫いた激闘のオレ流タクト。6試合連続のスタメン変更。静を嫌い、動を選び続けた。「本当は固定メンバーで戦うのが理想なんだけどな。常に何がベストなのかを考えるのが監督の仕事だろ」。熟慮を重ねた頂上決戦だった。
 策は当たった。2点の先制を許すも、打線が三回までに8安打6得点。想定外は初回の守備で荒木と交錯し、左足首を痛めた森野が三回からベンチに退いたこと。選手会長の離脱が暗い影を落とし、投手陣が4点のリードを吐き出した。延長12回の死闘。粘りに屈した。
 「誰も責めない。よくこの1年間戦ったと思う。その反面、最後に負ける悔しさが残った。この舞台で勝つには、何かが足りないんだろ。それを持てないとな」。奮闘をねぎらい、視線を来季に移した落合監督。スイッチは切り替わった。
 驚異の勝率・750を誇った本拠地・ナゴヤドームで食らった史上最大の下克上。4戦2敗。今季3度目の胴上げシーンを描きながら、敵将が舞う姿に背を向けるとは。申し訳ありません‐。敗軍の将は心の中で深々と頭を下げた。ただ、落合博満の辞書に敗北の美学はない。