背水でも“オレ流”落合監督5分で帰った

2010/11/6 7:01 配信 スポニチアネックス

 【日本シリーズ】泰然自若。ロッテに王手をかけられても、「らしさ」は変わらなかった。落合監督ナゴヤドームのグラウンドに現れたのは午後2時の練習開始から約1時間後。しかも、フリー打撃の様子を5分間ほど眺めただけで、何も言わずにベンチ裏へ引き返し、無言のまま帰宅した。

 前日の試合後。「3つまでは負けられる。そこまでは想定内」と話した指揮官。だからこそ焦る必要はない。選手の地力を信用するだけだ。4番の和田も打撃練習を行わず、軽い調整で汗を流しただけ。第6戦のロッテ先発が濃厚な成瀬からは第1戦で本塁打しているだけに「成瀬の球筋も大体分かった。体調を整え、できることをしっかりやりたい」と余裕の表情すらのぞかせた。

 もっとも、落合監督の今シリーズに懸ける思いは強い。07年にはレギュラーシーズン2位ながらCSを勝ち上がり、日本シリーズでも日本ハムを撃破。チームを53年ぶりの日本一に導いたが、「優勝はあくまで巨人だからな」と自嘲。1年間のペナントレースの価値、意義を重んじてCS導入に反対の立場を取り続けた指揮官だからこその言葉だった。そして、今季はリーグ覇者として日本シリーズ進出。「次は本当の“56年ぶり”の日本一だ」と言った。

 史上最大の下克上など許さない。本当の日本一へ、ポストシーズンもあわせ今季55勝19敗1分け、勝率・743と圧倒的な強さを誇るナゴヤドームで連勝する。