王SB会長もうなった!「最強“落合流”補強の凄さ」
2010/11/5 16:56 配信 夕刊フジ
文化功労者の宮中茶会に出席した王氏(代表撮影)。ドラフト会議で注目したのは、いかにも落合監督らしい大野の一本釣りだった(写真:夕刊フジ)
写真を拡大
千葉マリンで日本シリーズ第5戦があった4日、都内ホテルでの文化功労者顕彰式に出席したソフトバンク・王貞治球団会長(70)。悲願だった7年ぶりのリーグ優勝を果たしたものの、7年ぶりの日本一奪回は来季に持ち越している。
【写真をみる】落合監督が見せるであろう“負けない采配”
「本当に悔しいけど、だからこそ来季が楽しみだ」。リーグ3位のロッテにクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで敗れた悔しさをむき出しにする。同時に、来季、それをバネにしての雪辱を期待している。
クライマックスを迎えているロッテ対中日の日本シリーズには無関心でいられない。両球団ともに来季日本一奪回の敵になるかもしれないからだ。そんな王球団会長は、ドラフト会議での落合流の大野雄大(仏教大)一本釣りに注目している。
「いい投手だが、故障個所が肩だからね。普通なら躊躇するよ。でも、中日だけは別だからね。来年すぐに投げてくれなくても困らない。それだけの投手がそろっている。故障をじっくり直せる時間があるからね」
12球団一の投手王国を復活させた中日・落合監督ならではの、先をにらんだドラフト戦略に目を向けていたのだ。早大・斎藤、大石と並ぶ今年のドラフトビッグ3といわれた中大・沢村を一本釣りした巨人に世間の注目が集まったが、王球団会長は違った。
素材的には今年のドラフトのナンバーワン左腕といわれながら、夏に左肩を痛め、秋のリーグ戦に1度も登板できなかった大野。他球団が尻込みする中、あえて単独指名できる落合流ドラフトを見逃さなかった。監督時代から事あるごとにこう語っている王球団会長ならではだろう。
「野球は結局は投手だからね。投手陣が良くなければ勝てない。打者は3割打てば一流。10回のうち7回は打ち損じるんだからね」
シーズン中から打線は3番・森野、4番・和田しか頼りにならない中日が、猛打を看板にする阪神、巨人に勝ったのは一にも二にも12球団最強投手陣のおかげだ。ドラフトで披露した、その投手陣の先を見据えた補強の落合流の大野一本釣り。
前回はリーグ2位から球団史上53年ぶりの奇跡的な日本一奪回。今年はこの3年間、公約し続けていた完全優勝、リーグ優勝からの日本一。球団史上、56年ぶりという、快挙を成し遂げるのか。メジャーリーグではサンフランシスコ・ジャイアンツが、くしくも56年ぶりにワールドシリーズを制している。大詰めの日本シリーズでの中日・落合監督に注目だ。 (夕刊フジ編集委員・江尻良文)