“内弁慶”落合竜、鬼門の「マリン」に超弱気

2010/11/1 16:57 配信 夕刊フジ

 意識過剰!? 落合中日が“マリンの恐怖”におびえている。

 中日は31日の日本シリーズ第2戦(ナゴヤドーム)で、ロッテの先発マーフィーの乱調につけ込み、12−1の大勝。1勝1敗のタイとして敵地千葉マリンに乗り込むことになった。

 第2戦終了後、さぞかし意気が上がっているだろうと思いきや、中日スコアラーのひとりは「ロッテは1勝1敗で思惑通りでしょうね。ウチはぜひともナゴヤドームで2連勝しておきたかったのが本音。そうすれば、千葉で3連敗したとしても名古屋に戻って来られますから」と超弱気。「独特の強い風、さらに一糸乱れぬ応援で、こちらにとって完全アウェーの異様な雰囲気に包まれますから」と続けた。

 ある中日OBも「何人かのコーチ、選手と話したが、『千葉では1勝2敗で御の字』なんて声ばかりで、『3連敗するんじゃないか』なんて声まで。油断は禁物としても、こちらはセ優勝チーム、ロッテはパ3位なのだから、もう少し自信を持ってもいいと思うんだが」と首をひねる。

 背景には、中日が今季公式戦で露呈した、ホームでは53勝18敗1分けの貯金35、ビジターでは26勝44敗2分けの借金18という、あまりに極端な内弁慶ぶりがある。交流戦でのロッテ戦も、千葉マリンで2連敗、ナゴヤドームで2連勝と、シーズン全体の傾向通り。

 そんな中、落合博満監督(56)は第1戦の先発メンバーのうち、ノーヒットに終わった藤井、英智をベンチに下げ、第2戦では代わりに大島、野本を起用。大島は三塁線を破る2点適時二塁打、野本も左前適時打で応えた。指揮官は試合後、連勝スタートといかなかったことがよほど悔しかったのか、スタメン落ちさせた選手について「短期決戦では(調子が上がってくるのを)待っていられない。結果を求めて、それにつぶされている。なぜ、そんなに重圧につぶされるのか。この舞台に立てるのは2球団しかないんだよ? 楽しめとは言わないが…『野球を楽しむ』という言葉はおれの野球人生にはないけれど、それでも上手には付き合っていかないと」と珍しく多弁で厳しかった。

 主砲の和田一浩外野手(38)が第2戦のお立ち台で、インタビュアーから「千葉で3連勝すれば日本一ですね?」と水を向けられても、「1つでも2つでも勝って、また名古屋に帰って来られればいい」と妙に控えめだったのは、そういう理由があるのだ。(宮脇広久)